幼稚園教育の目標

幼稚園教育では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、幼児の発達の側面から5つの領域にまとめて示されています。各領域ごとに“ねらい”を設け、それらを達成するために具体的な“指導内容”を掲げ、幼稚園生活の全体を通じて幼児が様々な体験を積み重ねる中で、生きる力の基礎を育むと共に、相互に関連をもちながら適切な環境のもとで保育を実践しています。

1
健康

健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。

●幼児が戸外で伸び伸びと体を動かして遊べるようにする。幼児の遊びに配慮した遊具の配置や園庭の整備を工夫する。
●他の幼児とのかかわりの中で、幼児の自立心を育て、日常生活に必要な習慣を身に付けるようにする。

2
人間関係

他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人とかかわる力を養う。

●幼児期相応の道徳性の芽生えを培う指導を充実する観点から、
 *友だちと一緒に物事をやり遂げようとする気持ちをもつ。
 *良いことや悪いことがあることに気づき、考えながら行動する。
 *友だちとのかかわりを深め、思いやりをもつ。
 *友だちと生活する中で、きまりの大切さに気づき、守ろうとする。
●幼児自らの活動は、他の幼児とのかかわりの中で深まり、豊かになるものであり、幼児はその中で友だちの良さに気づき、互いに必要であることをわかるようになる。教師は、一人ひとりを生かした集団をつくりながら、人と関わる力を育てていくようにする。
●人に対する信頼感や思いやりの気持ちは、幼児が葛藤やつまづきなどを体験し、それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくることに配慮する。
●高齢者をはじめ地域の人々と交流し、人とかかわる楽しさや人の役に立つ喜びを味わえるようにする。

3
環境

周囲の様々な環境に好奇心や探求心をもってかかわり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。

●幼児期にふさわしい知的発達を促す観点から、
 □いろいろな物に触れ、その性質や仕組みに興味を持つ。
 □身近な物や道具に興味をもってかかわり、考えたり、試したりして工夫して遊ぶ。
 □日常生活の中で、簡単な標識や文字などに関心を持つ。
 □遊びの中で、好奇心や探求心を抱き、いろいろなことを発見したり気づいたりし、自分なりに考えることができるようになることを大切にする。
 □生活の中で、数量や図形などに関する興味や関心、感覚が養われるようにする。
●身近な動植物に親しみをもって接し、生命の尊さに気づき、いたわったり、大切にしたりする。
●自然の大きさなどに直接触れる体験を通して、自然とのかかわりあいを深めることができるよう工夫する。

4
言葉

経験したことや考えたことなどを自分なりに言葉で表現し、相手の話す言葉も聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。

●言葉は、身近な人に親しみをもって接し、自分の感情や意志などを伝え、相手が応答する言葉を聞くことを通して次第に獲得される。幼児が心を動かすような体験をし、言葉を交わす喜びを味わえるようにする。
●日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことなどを伝える喜びや楽しさを味わい、幼児が文字に対する興味や関心を持つようにする。

5
表現

感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現力を養い、創造性を豊かにする。

●自然などの身近な環境と十分にかかわる中で、心を動かす出来事に出会い、そこから得た感動を他の幼児や教師と分かち合い、かいたり歌ったりして表現することを通して、豊かな感性が養われることに配慮する。
●幼児の自己表現は素朴な形で行われることが多い。教師は、幼児の表現しようとする意欲を受け止めて、幼児らしい色々な表現を楽しむことができるようにする。

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